クリスマスと新年の挨拶

「いつくしみの特別聖年」にあたり、クリスマスと新年のご挨拶を申し上げます。

教皇フランシスコは言われました。「わたしたちは慈しみを生きるよう招かれています。それは、わたしたちがまず慈しみを受けているからです。」(いつくしみの特別聖年公布の大勅書『イエス・キリスト、父の いつくしみのみ顔』9)

神は、すでに、わたしたちに慈しみの恵みを注いでくださいました。その上さらに神は、日々わたしたちに聖霊を注ぎ、日々、わたしたちを新たにしてくださいます。実に神は、ご自分の息を送って、すべてを新たにしてくださいます。詩編は言います。

「あなたは御自分の息を送って彼らを創造し、地の面を新たにされる。」(詩編104・30)新しくなるということは創造の働きであり、創造は神の霊の働きによります。神は救いの歴史を通して、日々、地上のすべてを新たにし、やがて「新しい天と新しい地」(黙示録21・1)を完成してくださいます。

昔、次の様な漢文を学びました。中国の儒教の古典『大学』の中で次のように言われています。

「まことに日に新たに、日々新たに、また日に新たなり。」日々新たにされるためには、日々聖霊を受けなければならないのです。日本語でケガレと言いますが、これは「気枯れ」であり、気が枯れること、という説がありますが、キリスト信者の場合は「神の霊が枯れること」ではないでしょうか。

今年が真に神の慈しみを生きる年でありますように、また主イエス・キリストの平和を実現する年でありますよう、聖霊の導き、助けを祈りましょう。

2015年12月8日 無原罪の聖マリア(特別聖年開始の日)        

さいたま教区管理者 大司教 ペトロ 岡田武夫